夏のツーリングで信州まで行ったときのことです。
セル付きエンジンを載せたK氏のTLがあまり調子が良くありませんでした。
バックファイヤーがひどく、シリンダーとエキパイの繋ぎ目から排気漏れしています。
排気漏れは増し締めである程度納まりましたが、
バックファイヤーは、キャブレターのセッティングが必要ですので、
帰ってから見てみることにしました。
そして昨日、ガレージまで持ってきてもらうと、
納まったはずでしたが、また排気漏れしています。
バックファイヤーも改造車ですので、少しはあってもおかしくないのですが、
ちょっとひどすぎます。
プラグは真っ黒ですので、ジェットを少し薄い方向に変更してみることにします。
ですが、キャブを開けると錆の粉が溶けたような色のガソリンが出てきました。
このタンクは、錆が出ていたので、錆取をして何度か洗浄して、
もう大丈夫と思っていたのですが、残った錆が順調に育ってしまったようです。
早速、予備のタンクに新しいガソリンを入れて、キャブレターをクリーニングして、
メインジェットは#110から#100にしてみます。
エンジンスタート。
アイドリングは快調です。空ぶかししてもバックファイヤーは起きません。
ちょっと試乗をしてきて、問題なければこれでOK。
タンクは錆取後にコーティングすることにしました。
ところが、走り出してすぐにエンジンストップ。
再始動しません。すぐ近所だったので押して帰ることになりました。
ガレージに着くと、何事もなかったようにエンジンが始動します。
そして試乗に出るとまたまたエンジンストップ。
エンジンが止まるときは、ガス欠のような症状で止まります。
これは、ガソリンキャップのエア抜き、ブリーザーが詰まっているのでは?
と考えて、ブリーザーパイプに息を吹き込んでみましたが、ちゃんと通ります。
あと考えられるのは、錆びの粉でガソリンコック自体が詰まってしまっていること。
ですが、これも先ほど、念入りにクリーニングしたばかりです。
メインジェットの詰まりも無く、フロートバルブの作動も問題ありません。
フロート室のエア抜きもパーツクリーナーで通っていることを確認してあります。
??????
仕方がないので、一度キャブを交換してみます。
クリーニング済みの手持ちのキャブを取り付けましたが、
それでも症状は同じで、走り出すとすぐにガス欠のような症状で止まってしまいます。
しばらくするとすぐに再始動、アイドリングは安定しています。
ここで土曜日はタイムアップ。モヤモヤしたまま娘を迎えに行って、
夕飯は分厚いたトンカツにかぶりつきましたが、
どこかで気持ちはエンジンストップの謎に引っかかっていました。
気持ちに余裕がなく、ここまで画像がありません。m(_ _)m
明けて翌日。
モヤモヤしたまま考えたことは、コックからはガソリンが落ちているので、
フロート室にガソリンが落ちないのは、
フロート室のエア抜きが詰まっているとしか考えられないという結論に達しました。
今更ですが、ガソリンがフロート室に落ちてくるときに、
入ってきたガソリンの分、空気が出て行かなければなりません。
それがエア抜きです。
フロート室の上の方、左右2ヵ所にあります。
一度パーツクリーナーが通ることを確認していましたが、
もしかしたら、開通している穴が小さく、十分にエア抜きの役目をはたしていない可能性もあります。
キャブクリーナーに付け込んで30分ほど置いてから、コンプレッサーのエアで貫通させます。
キャブ本体横の出口から勢いよくエアが出ました。
それから忘れてはいけません。
排気漏れの件です。
ガスケットを交換するか、古い物の上にもう一枚被せてしまおうかと思っていると・・・・
こんな状態のエキパイは初めて見ました。
接合部分が割れていて、穴が開いています。(^^;
これでは、いくらガスケットを足しても排気漏れを止めることはできません。
手持ちのエキパイを耐熱ブラックで塗って取り付け。
再クリーニングしたキャブも取り付けて、エンジンスタート。
近所を一回り、国道で全開走行もしてみましたが、
バックファイヤーも、エンジンストップもありません。
ヤレヤレ、初心忘るべからず、ですね。
ちなみに、キャブ交換でも直らなかったのは、
クリーニング済みのキャブもまた同じく、
エア抜きが完全には開通していなかったからでした。(^^;